カナダのバンクーバーで、麻薬汚染が進行し「ゾンビタウン」と化している。特に、合成オピオイドであるフェンタニルの流通が急増し、過去10年間で5万人以上が過剰摂取で命を落としている。この地区には約5000人の薬物中毒者が生活しており、街の至る所で使用済みの注射器が見られる。市民は、路上で倒れ込む人々を目の当たりにしながら、日常生活を送っている。
トランプ元大統領は、カナダからアメリカへの違法薬物流入を強く非難し、フェンタニルの原料が中国からカナダを経由して持ち込まれていると指摘している。カナダ政府は、薬物使用者に対するハームリダクション政策を導入し、合法的に薬物を摂取できる施設を設けている。これにより、使用者は監視のもとで薬物を摂取することが可能となり、過剰摂取のリスクを軽減することを目指している。
一方、元警察官で薬物対策を担当していたルセット氏は、政府の政策を批判し、薬物使用を根本的に止めなければ問題は解決しないと訴えている。彼は、薬物を容易にする考え方は「馬鹿げている」とまで言い切り、薬物依存からの脱却を促す治療の必要性を強調している。
カナダでは、薬物問題に対する対策が思考錯誤を重ねている。公共の場での薬物使用が増加する中、政府は新たな政策の見直しを迫られている。薬物汚染が進むバンクーバーの現状は、カナダ全体に影響を及ぼす深刻な問題であり、今後の動向が注目される。