就職が決まった嵩と結婚が決まったのぶの物語が、昭和14年の柳家での熱い出来事を描き出します。
東京高等芸術学校で卒業制作に取り組む高志の姿が、眩しい春の陽射しの下で見えます。彼は、自身の集大成を仕上げるために全力を尽くしており、すでに製薬会社への就職も決まったとの知らせが、家族のもとに届きました。家族の笑顔がその場を包み込み、未来への期待が高まります。
同時に、のぶは心の中で葛藤を抱えています。彼女は愛する次郎と再会し、結婚の話が持ち上がるも、自身の教職への思いが強く、迷いが感じられます。次郎は彼女に対し、結婚しても教師を続けてほしいと告げますが、のぶはその言葉の裏にある重圧を感じています。
「私には結婚する資格がない」とのぶは心の中で呟きます。教師としての責任感と、愛国心に揺れ動く彼女は、次郎の優しさに触れながらも、自分の未来に対する不安を抱えています。次郎は、戦争が終わったら世界をカメラで撮影したいという夢を語り、のぶにも夢を持つよう促します。
その時、のぶはふと我に返ります。「次郎さん、忘れ物をしました」と叫び、彼に駆け寄ります。心の奥底にあった思いを伝え、結婚の約束を交わす瞬間が訪れます。彼女の「こんな私でよかったら、よろしくお願いいたします」という言葉には、彼女の決意が込められていました。
その夜、家族が喜びに沸き立つ中、のぶは自分の選択が正しかったのか、胸が熱くなります。一方、高志は、東京で卒業制作の仕上げに取り組みながら、自由を取り戻すための思いをキャンバスに描き続けています。
この物語は、戦争という困難な時代の中でも夢を追い求める人々の姿を描いています。未来に向かって走り出す彼らの姿は、希望の光を感じさせます。次回の展開が待ち遠しい限りです。